ふたたび 睦月のこと
1日 夕べ除夜の鐘を聞きながら1年を振り返って考えた。
昨日までは、なんと多忙で余裕のない年だったのだろうかと思っていたけれど、二人で歩き始めてから、間もなく半世紀にもなろうかという今になって改めて思うことは、初めて夫婦らしい過ごし方をした年であったということだ。
若い頃はお互いが違う道の現役で、相手のことを考える余裕もなく過ごしてきたけれど、子供たちが巣立って行って、二人になったこの時期に、相手のために時間を過ごすことができたのは、私にとって最高に幸せなことだったといえるような気がする。
物事すべてを理論的に考えるAB型と、ケセラセラで風任せのO型のカップルは、角を曲がるたびにゴチンゴチンと頭をぶつけあってきた。
今の若い人たちだったら、とっくに離れてしまったであろうケースを、何か起きるたびにお互いストレスを溜めながらも、どうにか乗り越えてきたのは、神様のコンダクターがついて居てくださったからかもしれない。
これからの1年がどういう日々になるかは判らないけれど、夫の手をひたすら温めてあげようと思っている。
夕暮れ近く、空がうっすらと夜を感じさせる頃になって、誰もつき会ってくれないので、100m離れた氏神様にひとりで初詣に行った。
いくらなんでももう空いていると思ったのに、行列が長く伸びていて、40分待ちで去年一年のお礼を言って、破魔矢を買って帰ってきた。
帰り路で、お賽銭を入れるのを忘れたことに気がついた。
毎年6月と12月にお祓いがある。この時お供えをしているので、それで許していただこう。
今年のニューイヤーコンサートは、大好きなバレンボイムだった。
いつもなら二人で聴くのだけれど、今年は旦那が早々と引き揚げてしまって、一人で最後まで楽しく鑑賞した。
彼のラデツキー行進曲は少しテンポを抑えて、丁寧な感じだった。
あの忌まわしい時代をユダヤ人の彼が生き抜いてこられたのは、まさに天の美禄、神から与えられたこの世の宝物と思う。
彼のモーツアルトなんて、聴いていたらとろとろと魂が溶けてしまいそう。
2日 例年通り今日と明日は、箱根駅伝から目が離せない。新聞も年賀状も配達がないので、今日は駅伝しか関心がないのは毎年のこと。今日一日エキサイトした。
毎年の初めに箱根駅伝を見ると、全力投球して襷を仲間につないでいく彼らが、このゲームによって培われた連帯感と責任感を忘れずに、日本を立ち直らせてくれるという確信が湧く。
夜になって何か面白いものをやっていないかな?とテレビを回したら「東京MX」で、前にやったロリン・マゼールのニューイヤーコンサートを放映していた。
昨日の夜から少し元気がなかった旦那も、今日は晩ご飯を食べて、最後まで音楽を聴きながら、かつて歩いたヨーロッパの思い出話に、とどまることを知らず、11時まで古い写真を見て、話に花が咲いた。
テレビで懐かしいザルツカンマーグートの美しい景色を見ていて、こんなところで生活したら、どんなにか心が休まるだろうかと考えたけれど、現実には違う土地に住むということの大変さが先に立ってしまうだろうな。
私は生れも育ちも横浜なので、歳とともに生まれ故郷の横浜が懐かしい。出来る事なら引っ越したいぐらいだ。
それなのに、日本では誰もかれもが東京に住みたいという、一極集中の構造が理解できない。
ちなみにお正月の今、東京は空いていて、外に出るまたとないチャンスなのだけれど、考えただけで面倒になって、3が日は一歩も出ないのだ。「食っちゃ寝」の二日間で体重が増えたかと思ったけれど、お風呂上りに測ったら1キロ減っていた。
3日 今日も朝からからりと晴れる。昨日に続いて箱根駅伝の復路に釘付け。
今年のレースは劇的展開で最高に面白かった。アンカーの東洋大と早稲田の鍔迫り合いは、目を離せない。
結果的に東洋大が総合優勝で、彼らの笑顔が最高だった。2位になった早稲田が、ゴールで仲間に手を合わせていたのが印象的。
今欠如しつつある責任感の存在に、ニッポン男児の原点を見たような気がした。
今日は黙って見ているのが勿体ないので、観戦しながらサイドボードのワイングラスを、せっせと磨く。
今日になっても、まだおせち料理が残っていて、私はだれも食べない海老をしめしめと独りでやっつける。
4日 旦那が初めて街まで行くという。
寒いのになあ、と思いながらも、外に出る気になってくれたのが嬉しくて、護衛も兼ねて一緒に坂の下の「とうきゅう」まで行った。
花の肥料や、パンジーの鉢を買い込んだうえ、私は足りない食材を買ったので、両手に余る荷物を担いで坂をのぼる。
人が見たら何と思うかしら?と思いながら、私一人が山のような荷物を抱えてふーふー言いながら、家にたどり着いた。
夕方近く黄昏ていく中を、旦那が玄関前に花を植え込んだので、家の前が華やかになったけれど、明日の朝ばてていなければいいが、と少々心配。
頂いた年賀状の整理をしていて、そのうちの1枚を、パソコンの住所録に追加、上書き保存をクリックしたら、どひゃ〜!全部のデータが消滅した。
だから今日頂いた分が、印刷済みかどうかわからなくなってしまった。
復元の道を辿ろうと思ったけれど、やり方を忘れてしまってあきらめる。
どこを見ても復元の入口が分からないのだ。ヴィスタって使いにくいったらありゃしない。
やっぱり旦那の考え通り、アナログ思考でなければ安心できないんだ。
今年は只さえ遅れて書いたのだから、もう皆様にご勘弁を、というしかない。
ちなみに今日思いついて出した一人の方から、すれ違いで、お年賀状有難うというのが来た。
つまり、私は2通出してしまったらしい。夕方になって新しい住所録のノートを買ってきた。
10年間使った今までのノートは、改めて見ると、亡くなった方が多い。でも親しくして頂いたそういう方々の名前を消すに忍びなくて「亡」とチェックを入れて残すことにした。

5日 世間は今日が仕事始め。でも私は体調が悪くて、眼が覚めたのが8時半だった。下に降りて行ったら旦那はもう朝食を済ませていた。
今日からデイホームの歌い始めだけれど、まったく声が出ない。
去年の5月からの、旦那の度重なる入院の疲れが、今になってどっと出たようだ。
その分旦那は、少しづつながら体調を取り戻しつつある。私は暮からずっと食欲がないまま、それでも食べなくては、と頑張って3食を抜かないでいるので、胃が疲れ切ってしまったようだ。
お正月なので何年振りかでイタリア製のワンピースを着て行ったら、デイホームの皆様が褒めてくださったけれど、流石に疲れて、帰って旦那の昼食を支度してから、着替えもせずに3時まで寝てしまう。
眼が覚めて、そうだ銀行に行ってきて、と言われてたっけ、と思いだしたけれど、もう行く気になれず、暗くなってから坂を下りて、夕食の支度の買い物に出かけた。
今夜は旦那のために鯛の切り身を煮たけれど、あとは出来たサンドイッチやら大学芋などを買ってきて、めちゃくちゃな献立となった。
明日から復活の予定だけれど、どうなる事やら。今夜は早寝することにした。
6日 年が明けてからなんだかとても体調が悪い。私の胃弱はもう何十年も前からのことだけれど、今回はしつこい。
ストレスを溜めないようにと、自分のスケジュールを変えずにきたのが、却って禍いしたのだろうか。
もう矢鱈と眠くて、何もする気になれない。今日は旦那も調子が悪くて、二人とも朝9時まで、ベッドの中でテレビを見ていた。
なんとかしてこのトンネルから抜け出さないことには、介護人としての資格も剥奪されてしまいそう。
夕方になってやっと鶏と野菜のシチューを作って、あとは全部放り投げてしまった。
7日 念力で体調を戻す。今日は今年最初のユトリーバの例会。数えたら間違いなく79回目だった。
旦那が病院を退院する時に出された吐き気止めの薬を横取りして飲んだら、それが電撃的に効いて、調子が戻ってきた。
それでも朝ごはんは極々軽めに済ませて、旦那のために買ったノニジュースを飲んだりしているうちに、だんだんと調子がついてくるのが感じられた。
6年前に始めたユトリーバの例会は、1ケ月に1回だけれど、一度も穴を開けたことがない。
これからも出来る限り続けるつもりだから、何としても体調を戻さなくてはならないのだ。
今日のコーラスは、アルトが居ないので、愛唱歌オンパレードということにして、「皆で歌う会」のためにプリントしてあった歌を片っぱしから大声で歌う。
メンバーのそれぞれが歌うことで諸々のストレスを解消してくださったら、言うことなし、やった〜という気分。この会は私を最高に元気にしてくれる。
今月も息子が家を貸してくれたので、皆で手分けして隣にお茶の支度を運び込んだ。
来月は目標にしていた第80回だから、一つのポイント的なイヴェントをしたいと思っている。
そしてあと20か月で100回と思うと、頑張らねば、と自分に士気を鼓舞する。
今日もほんとうに楽しかった。お正月なので1000円の会費を「アンカフェ」のケーキに充てる。
5時にお開きになったころには、すっかり元気を取り戻していた。こうでなきゃ。
最近嬉しいこと。たくさんの財産であるお友達のうち、何人かから電話が入る。
今日も京都・山科のヒサコさんからの、懐かしい声が飛び込んできて、頂いたお電話で40分のおしゃべり。
8日 本当だったらプールのアクアサイズの日なんだけれど、木曜日のアクアサイズのコーチがなんとなくだらだらしているのが気に入らなくて、それを口実に行かないことにする。
本当は体調をもう少し整えてから復帰したい、というのが本音なのだけれど、ひとのせいにする。
我ながらちょっぴりやましい。
お使いの道すがら、駅前の花屋で、茜色がかったピンクのマーガレットの鉢植えを見つけ、買って帰った。
マーガレットというのは今まで白い花しか知らなかったから、何らかの作為的作品あるいは新種だと思うけれど、優しい表情が溢れるこの花を手元に置きたくなった。
門の脇に置いたら、たったひと鉢のピンク色が、あたりをパッと和やか色に染めて、気持も晴々とする。
夕方からミノ・ヨーコ夫妻がたくさんのお土産を抱えて訪問。
英字新聞の包装紙にくるまれた赤と白の花束の陰から、花に引けを取らない華やかなヨーコちゃんの顔が、覗いている。
今日はトールも会社から早く帰り、隣のタカノ夫妻も顔を出して賑わい、久しぶりに夫の表情も和やかだった。
9日 朝から久しぶりの雨。都心の一部では雪も降ったとか。昨日の天気予報で12日間の晴れ続きと言っていたから、2週間ぶりくらいの冬の乾天の慈雨だった。
私は何よりも花の水やりの必要がなくて大助かりだ。
まだ昨日までの疲労感が残っているけれど、気持を奮い立たせて健康体操に行った。
今年初めてで、45分間はいささかきつかったけれど、終わった時の爽快感で、やっぱり行ってよかったと思った。
でも帰ってから午後の2時間程しっかりと寝る。実はこれが楽しみで体操に行ったともいえるのだ。
10日 今年最初の病院外来の日。
あとから来る旦那のために8時半に申し込みに行った。晴れているけれど寒い。
申し込んだら8時半にして5番目だった。隣の息子が車で送ってくれるというのだけれど、9時を過ぎても現れない。
そのうちに旦那がひとりでよろよろと現れた。待っても息子が来ないので歩いてきたら、10分掛かったという。
私なら3分の距離。今日は胆管の炎症が起きて数値がすこし高い。ステントを入れていると、どうしても仕方がないことらしい。
でも入院しないで済んだだけ儲けものと思った。電話で息子を呼びだして、旦那を乗せ、私はそのまま買い物に回る。
外は冷たい強風だけれど、家の中は日差しで暑いぐらい。午後昼寝の癖がついてしまって、今日もうらうらと寝込んだ。
夢の中でモーツアルトのピアノコンチェルト21番が鳴り響いている。CDをつけっぱなしにして旦那がいない。
ヴォリューム20は昼寝の環境にはきつすぎるのだ。
15に落として、ふたたび夢の世界に入り込む。今度は心地よい音が体に沁み込んでいって、リラックス出来た。こんなに寝てしまったら今夜も眠れなくて悶々とするだろうな。
11日 よくもこう沢山寝られると思うほど、いくら寝ても眠い。8時半に朦朧と起き上がる。
今日は旦那が食欲がないというので、少しでも口から食べさせなくてはと思い、昼にお餅を焼いて、娘が呉れたくるみ味噌をつけたら、全部食べてくれてちょっとほっとした。
午後、13年前の旅のビデオが出てきたので、二人で思い出話をしながらドイツの旅を再現した。
この年の暮はライプツィヒでのカウントダウンだった。一緒に行ったお仲間が撮ってくださった私たちのダンスの場面が現れて、思わずお互いに若かったねえ、と感慨しきり。
2時間見ていたらなんだか旅をしているような気分で、疲れてしまった。
夕方いなりずしを食べたいという旦那の要望に応えるべく買い物に出たら、この寒さの中、街は人出でいっぱいだった。
「ブックオフ」に文庫本を買いに寄ったら、4時から2割引だというので、ほしい本があるのを確認して、時間までブティック「アウラ」に行くことにする。
今年初めてなので、お年賀にイタリアのオーガニックのオリーブ油を持って行ったら、イタリア在住が長かったカクマツさんは大喜びだった。
息子が呉れたお年玉でカシミアの紺のセーターを買う。
9時過ぎにミノから電話で、NHKの衛星放送の「世界のお正月」で、ネパールのお正月のレポートをスンダリ・ミカさんがやると教えてくれたので、番組を切り替えて久しぶりにミカさんの顔を見た。すこし太ったみたい。
懐かしい場面が出て、またネパールに行きたくなる。
ケントスクールの子供たちはどうしているかしら。

12日 デイホームで「ペチカ」を歌ったら、メンバーのハマノ夫人が、昭和12年ごろにJOAK(なつかしいことば)で初めて海外放送をやった時に、地元の八幡小学校の生徒たちが、この歌を外国に流し、その時に出演した、といわれた。
聞いてみたら他にもその時歌った人が複数いることがわかった。
早速帰ってから夫に報告したら、そうだったかな?と頼りない言葉。
そういえば彼は、音楽の成績がとっても悪かった、といってたっけ(いまでも調子っぱずれ)。
今日も午後ポーランドの旅のビデオを二人で見る。見ていると9年前の情景がつい昨日のように浮かんでくるとともに、もう一度行きたいという思いに駆られるけれど、もう二人で行くことは不可能だろうな。
まだ私たちにスタミナが溢れていた頃に、先輩のある方が、二人で楽しめる時間なんてあっという間よ、と言われたのを、今になって、つくづく実感している。
食欲のない旦那は、今日もいなりずしを食べるという。休日なので今夜は中華丼を作って息子を引っ張りこむことにする。
そうでもしなかったら、気分が滅入ってしまうものね。
13日 最近…というか生まれてからずっと、掃除が嫌い。
でも、家を建て替えて早や10数年。流石の私もいささか気になるところがあちこちに目立ってきた。
そこで決意!さしあたって大きなことはやりたくないので、とにかく金属類を磨くことにした。
その結果3日にして台所の鍋、流し、電子レンジ(これは買ってから35年以上経っているのに壊れない)、トースター、コンセント、サイドボードのガラス扉などがピカピカになった。
へえ掃除ってこんなに気持ちがいいもんなんだ。今日はちょっとお腹の調子が悪いので、ほどほどにしておこうと思いながら2階のガラス窓までやりあげた。
お願いだから3日坊主に終わらないで、と自分に言い聞かせている。
午後今年初めてのアクアサイズを受けに行った。40分間のレッスンの残り15分で、ばてて溺れそうになる。
たっぷりとお風呂を満喫して外に出たら、駅前の信号は、慶応の学生さんたちの下校と重なって、真っ黒くろのカラスの群れに紛れ込んだみたい。
があがあと煩いけれど楽しそうで、ちょっぴり若さが妬ましかった。
銀行と郵便局に寄ったついでに、日吉の町を少し歩いた。
この町の、高級でないけれどさりとて下品でない、中途半端な庶民的雰囲気が、なんとなく好き。
横浜の実家を売って三田のマンションが出来るまでのしばらくの間、母が住んだ町でもあるのだ。
旦那のご要望で、日吉の「とうきゅう」で本マグロのお刺身を買って帰る。ここの魚屋さんはなかなか良い。
14日 朝配達のヨーグルトを取りに玄関を出たら、門の脇の敷き詰められた砂利の間に、点々と緑が見える。
腰をかがめて見たら、砂利を敷く前に毎年咲いていた水仙の新芽だった。
砂利を敷いたのは三年前のことなので、去年までは外に出てくる力がなかったのだろう。
更によく見たら、他にもスノードロップ、ブライダルベールなどが砂利をこじ開けて芽を出していた。
なんだかとっても悪いことをしてしまったような気がして、新芽の周りの砂利を少しどけた。
花が咲かなくてもいいから、成長してほしい。
このところばたばたしていて、気がつかなかったけれど盆栽の梅も咲きかかっているのを発見。
春はもう足元まで訪れているんだわ。
午後旦那のお使いで、証券会社のイケメンくんに会いに行くので、すこしお洒落をした。
15日 ゆうべ安定剤を飲まずに寝たら、2時半にぱっちりと眼が覚めてしまい、仕方がないので4時半までパソコンをいじっていた。だから今日は朦朧として一日過ぎてしまった。
本当ならばプールに行くところだけれど、取りやめる。
お風呂に入ってから顔を洗おうと思っていたら、こんな日に限ってごみ収集車は早く来るし、まだまだと高をくくっていてよれよれの状態で、冷凍食品の配達のお嬢さんに、ゴミみたいな顔をさらす羽目になる。
今日は腹6分目を心がけることにしたら、なんだか力がでない。やっぱり食べなきゃね。
16日 数日前から気になっていたことだけれど、寝室の2つの時計の秒針が0.5秒ずれて打っているのだ。
寝られない夜などは、これが気になって仕方なかった。
どちらも超安値で、枕もとの目覚ましが105円、掛け時計が490円の代物だ。
動いているから問題はなく、むしろこれが安物の面目躍如といったところ。
いつか又ぴったり合ってくるのが楽しみに待たれる。そうなった日には、せっせと働いているこのふたり…じゃなかった二つの時計にご苦労さま、と言ってあげよう。
先月退院してきた旦那は、このところ元気。
今日は、昨日私が買ってきたパンジーの植えこみを半分やってくれた。
このままいけばいいけれど、そうもいかないだろうな。リバウンドがこわい。
私は80%体力を回復したけれど、まだ用心して、食べるものを極力控えている。
そのせいか、今日の健康体操のバランス運動で、ふらふらと安定出来なかった。
帰りに宣伝中の足の岩盤浴を20分間、ハルコさんとやってきた。
気持ちがよくて一瞬心が動いたけれど、19万円じゃねえ。
17日 人は私のこと、「まめな人」というし、私自身もそう思っているけれど、大きな欠点が背中合わせになって張り付いている。
究極のところで、ものぐさなのだ。だから最後までものを見ていない。
今年は生活の簡潔さが狙い、と先月のコメントにも載せたのだけれど、もうひとつの課題の、最後まで手を抜かないこと、というのを書きくわえなければならない。
そうすれば、いま探している去年受けた6か月検診のデータも、仕舞い場所を忘れなかった筈なのだ。
ちなみに元気を取り戻しつつある旦那は、今朝から電気製品の保証書の整理をして、私が探しまくっていたMDのマニュアル本を見つけ出した。MDが流行らなくなった今にして。
昨日までの寒気がゆるんで、今朝は体に柔らかさが戻ってきた。
旦那が残りの鉢植えの仕事をして、私が玄関先まで運ぶ。まだ重いものを持つ自信がないらしい。
今夜は鉄火丼が食べたいというので、マグロと烏賊、それにいくらを少し買ってきて盛りつけたところに息子がぬうっとはいってきた。それで私たちのお刺身がすこし減って、腹6分に丁度好い量になったのに、彼ったら食べずに出て行ってしまった。私たちの明日の宿題となる。
18日 週間天気予報では、日曜日頃に暖かく晴れる、と言っていたのに、朝カーテンを開けたら、黒い雲が漂っている。
それだけで起きる気がなくなって、蒲団の中で、「う・そ・つ・き」とつぶやく。
眼が覚めたとき足を思い切り伸ばすと、エコノミークラスの旅から帰った日の夜のような快感を覚える。
それと一緒に思い出すのが、大昔夜汽車でスキーに行って、明け方着いた湯沢の宿の温もりだ。
長い人生のなかに、びっしりと思い出が詰まっている。勿論思い出したくもないことも山ほどあるけれど、歳とともに浄化されて、いいことばかりが頭に残っていく。人間って都合がよく出来ているものだわ。
旦那は退院して昨日で1か月が過ぎ、嬉しいことに、とても元気が出てきて、食欲旺盛で体重が2キロ増えた。
時々思い出したように庭に出て、土いじりをしている。
私もやっと長いトンネルから抜け出たようで、胃の重さも感じなくなった。
二人で向かい合って薬を飲みながら、結婚以来一番いい時を過ごしている。
2、3日前に契約したノニジュースの箱が今朝届いた。なんだか強力な助っ人が来た感じで、ほっとした。
物事を簡単に信じない旦那がきちんと飲んでいる。
今の我が家で一番偉い人は「ノニジュース」。

19日 10日ぶりの夜来の雨が上がって、木々や家の屋根がしっとりとした風情を醸し出している。
踏切のカンカン…という音が、一瞬屋根から落ちる水の音と一体化して、また大急ぎで別れて行った。
リズムの妙を見たような…。
うっかりしていたけれど、今月の地代を払う時期に来ていた。
昼にデイホームから帰って、昼食を済ませてから大急ぎで銀行に行って、その足でお寺に支払いに行く。
そもそもは、いい散歩になるからと旦那が契約替えの時に、払い込みに行く方法を選んだのだけれど、これは今は私の仕事で、いい運動というよりは、忙しい中を10分歩いて行くほうが気持ちの拘束になっているんだけれど。
今日は温度が上がって、上着が邪魔になる程だった。途中で買った石焼ガマのパンを置きに家に寄って、上着を軽いものに替えてから、美容院に行く。
今日だけが15℃だというので、町を行く人たちは束の間の春を享受しているかのように、薄着が目立った。
20日 1月ももう20日を過ぎてしまった。なんだか気が焦る。
昨日買ったパンは、バターを使っていないだけ、ぼそぼそして美味しくない。
前々から気になっていた店だけれど、昨日買ったのは、お店の人と目が合ったというだけの理由。
一つ学習した気分。私はやっぱりパンはふわふわしたのがすき。
このところ元気な旦那のために、お昼はパスタにしようと準備を始めたら、焼いたお餅が食べたいという。
おかずがなんにもない。慌てて卵焼きを作ったけれど、どう考えても野菜不足で、こちこちに凍ったホウレンソウを解凍したり、このところ気まぐれやさんに振り回されている。
お昼過ぎにプールに行って、ロッカーに着替えを収納して、ふと見たら、同じブースの一つが明けっぱなし。
プールの入り口まで行って、「どなたかロッカーが空いてますよ」、と言ったら、何人かの人があわてて戻ってきた。
該当者は居なかったけれど、皆にやにやしている。お互いに自信ないのよね、と言っている人たちの顔を見たら全部60代だった。
花屋さんの店頭が赤い花に埋め尽くされてとってもきれい。ここだけ一足早く春が来た。
21日 何があるわけでもないのに、なんだかとっても幸せな日。
いうなれば…一日中人のために過ごした日。もっと端的にいえば、自己満足に満たされたとでもいうか…。
朝起きたら旦那が背中が痛い、という。今日はお腹ではないの?と言いながら、30分ぐらいせっせと背中をさすってあげてから、お風呂を洗って痛みに効くと効能書きに書いてある入浴剤を用意する。
午前中旦那はあまり具合が良くない。寝椅子で潰れているかと思えば、ふっと居なくなって、探したら庭に居たり…と不安定。
そういえば昨日、明日はお茶漬けが食べたいって言ってたっけ、と思いだして、シャケとシジミのお汁を使って、お茶漬けを用意したら、量が多すぎるという。
座って食べ出したら、「煎茶!」という。元気な時だったら、「お茶?入れてくれるの?」と憎まれ口をきくところだけれど、「はい、はい」とご飯を飲みこんで立つ。
食後に、夕べ息子が大阪出張から買ってきて、テーブルの上に置いて行った「赤福」を一切れ食べる。
おいしい!。
こののどかさは結構気分がいいもんだな、と、専業主婦に無縁の私はご機嫌になる。
こうなったら何だってやっちゃうもんね。
整形外科に、先月やった血液検査の結果を聴きに行く。「何も問題ない、優等生」「でもね、とっても疲れるんですけれど」「朝鮮ニンジンでも飲んでみる?疲れが取れるし、保険がきくよ」「はい」と今日の私はここに来ても素直。
薬代を見たら4410円だった。
22日 夕べから雨で家じゅうのどこもかしこもが冷たい。
暗いうちに旦那が起き出してしまったので、私も仕方なく起きる。身辺整理に余念のない旦那は、ラジカセテープを片端から聞いてより分けている。こんなところにこんなものが、と思うほどに面白いテープが出てくる。
よれよれになってカビが生えているような1本をかけてみたら、最近毎日鳴っているモーツアルトの室内楽だった。
こんなものいつ録音したのかしら。30年は経っている雰囲気。
静かにしずかに、時が流れて心地よいので、今日はどこにも出かけないことにした。
旦那は音楽が鳴っていても本が読めるというけれど、私は駄目。
つい音楽に聴きほれてしまい、本の中身が上滑りしてしまうので、今日は手先を動かすことにした。
我が家にはまだ布がいっぱいある。その中から選り分けて、だいぶ前にまちこさんと約束していた、蓋つきの袋を作ってみた。
ミシンを出すのが面倒なので、一針、ひと針チクチクと縫う。
今日はどうしたことか、関節痛に悩まされている。そうだ、薬を飲めばいいんだ、と気がついたのがもう夜半。
旦那が入った後の入浴剤たっぷりのお風呂で体の芯まで温めた。
23日 昨日からの腰の痛みが消えたので、健康体操に行くことにした。今日は用心のためコルセットをつけていく。
クラブの入口に「美脚・小尻」と銘打ったパンツが飾ってあった。思わず目がいって、8925円の大枚を払って予約。
こういうのに弱いんだな。すぐ乗るハルコさんも負けずに注文した。
今日は旦那に因果を含めて、お昼ご飯を自分で食べてもらうことにしたので、ハルコさんとゆっくりとミストサウナにはいって、駅ビルでお昼を食べて、渋谷に肉を買いに行く。
「明日お客様があるのでビーフシチューを作ってくれない?」との息子のリクエストに応えたわけ。
1kgのすね肉は重くて腰痛をぶり返しそうだったけれど、「おかあさんのビーフシチュー美味しいんだよね」といわれるとすぐその気になるおめでたさ。
昨日からうまい具合の雨の降り具合で(出かけているときは止んでいる)、花の水やりをしないで済んで助かっている。
今日だけ15℃の温かさとか。
24日 2週間ぶりの旦那の病院について行く。退院して5週間が無事に過ぎた。問題は解決していないけれど、このところ退院以来発熱しないので有難い。
採血中に先生にサインを送られて、話を聞きに部屋の外に出た。今日は、ちょっと悲しいお話。
病院の帰りに、生協に寄って野菜を山のように買い込んだ。帰ってから3時間かけてビーフシチューを作る。
思った通りの美味しさだ。
今日は寒いので、極力出かけないことにして、午後いっぱいかけて、プールに持っていく大型バッグを作った。
今使っているのが少し大きさが足りなくて、靴がはみ出してしまうのだ。
おとといのように手縫いでちくちくというわけにはいかず、よっこらしょとミシンを引っ張り出して、悪戦苦闘して糸通しをした。昔の単純明快な足踏み機械と違って、すぐにやり方を忘れてしまう。
こんなにバッグ作ってどうするの?と旦那に聞かれたけれど、私だってわからない。
ただ作っているのが楽しいだけ。
今年こそデイホームのクリスマスに合わせて、30個の小さなバッグを作ろうと決心だけはしているけれど、どうなる事やら。
25日 サンデー毎日の身分になっても、日曜日というのはなんとなくのんびりしていい気分。
お天気もよく、お隣のぼーやのキャッチボールの音が、のどかに聞こえている。
今朝驚異的事実を発見して、私はご機嫌がいい。長いこと30を保持していた体脂肪が25に減っているのだ。
体重も一番多かった時から5キロ減っている。これは旦那に付き合って野菜中心の食事をしていることと、運動をさぼらずにやっていることに関係がありそう。
そこで止めておけばいい子なのだけれど、昨日からケーキが食べたくて仕方がない。
開店をまって「アン・カフェ」に行ったら、お母様が掃除中だった。
しばらく座っておしゃべりする。彼女は2年ぐらい前に乳癌の手術をして、見事復帰を果たした癌の先輩。
旦那のことを心配して下さり、これはお見舞い、とケーキを頂いてしまった。
一念発起、ご自分で立ち上げたコーラスの1年目で、フォーレのレクイエムをコンサートでやるというので、尊敬してしまう。
「でもすっごく大変!」という気持ちがよくわかった。テクニックだけではなくメンバーを纏めることの大変さと理解できる。
それにつけても思うことは、我が家のユトリーバメンバーの、円満を絵にかいたような結束力だ。
旦那は今日お腹が痛くて、ケーキは食べたくないというので、食パンを買ってきてもらったノリコに、3個のうちの2個を進呈した。

26日 朝7時に窓を開いたら、どこからともなくステーキを焼く匂いが漂ってきた。
朝からステーキを食べる人って誰?と思いがら下に降りて行ったら、匂いのもとは我が家のトースターだった。
昨日の晩オリーブ油を塗った茄子をトースターで焼いたまま、今朝旦那がトーストを焼いたらステーキの香りが発生したらしい。
朝の温度は2℃で、切れ味のいいナイフのような冷気が肌を刺す。
今日は旦那の病院と重なりそうな予感がしたので、デイホームは、午後にしてもらう。
でも病院に行かないで済んだので、午前中のんびりすることにした。
これって結構いいな、午後からのコーラスは皆声帯が暖まって、いい声がでる。
入って行ったら皆さまに、「朝どうしたのよ」、と総攻撃を受ける。「ごめん、寝坊しちゃった」、と言ったら、本気にした人がいた。
皆歌いたくてうずうずしているのが嬉しい。これだからこのボランティアはやりがいがあって休めない。
でも、取り敢えず来週からしばらくの間、午後からにしてもらうことにした。
旦那は今日は調子が悪くなさそうで、ちょっとほっとする。
病院では、いつでも入院できるように伝達してあるから、何かあったらすぐに来るように、といわれているけれど、出来る事なら少しでも長く家で過ごさせてあげたいと思っているのだ。
27日 昼食を済ませてプールに行く。40分間大汗を流してからお風呂に入り、顔見知りのお友達にバイバイと手を振って駅まできたところで、携帯を覗いたら、プールから、注文の品が届いたとの留守電が入っていた。
今通ったフロントにまた逆戻り。受付ではまだ顔と名前が一致していないようだ。
「お客様、美脚・小尻のL版のパンツでございますね」。
隣にいた男性がニヤッと笑った。美脚・小尻だけでも恐縮してるのに、L版とまで言わなくったっていいじゃないの。
でもこれが履いてみたら我ながらかっこいい。明日からお使いに行く時はこれで闊歩しよう、と嬉しくなる。
電車から見た多摩川が美しい。
このところプールに川がついて回る。豊洲に行く時の隅田川がL版だとしたら、多摩川はM版といったところだけれど、また一味違った風情が漂って、いい。
江戸時代の表舞台だった隅田川は高層ビルに囲まれて昔の面影を偲ぶよすがもないけれど、田園の風の吹き抜ける多摩川を通ると、ここは200年も前の、江戸から大山詣でへの街道筋だったんだと、またまた想像力が膨らんで、一瞬の空想が頭を通り抜けるのも楽しい。
たった10分の距離を、文庫本を開いたり、川を見たりで、大忙しだけれど、この10分が私にとってのオアシス。
今日は旦那も痛みが起きなくて、いい午後を過ごすことができた。
先のことは考えずに一瞬一瞬を大切に思う毎日が続いているのは、無上の幸せ。
28日 今日は全国的に晴れるとの予報だったけれど、午前中から無数の灰色の雲の塊がやってきた。
時々姿を見せる光に惑わされて、大急ぎで洗濯物を干したけれど、なんとなく湿っぽくて気に入らない。
リビングのテーブルに置いてある塩をパンにつけた夫が、「これ塩?砂糖?」と聞く。
あれまあ、味覚障害を起こしたのかしら、と少々心配になりながら、私もちょっと舐めてみた。(え、?塩?)もう一度舐める。
(え、これ砂糖?)どうやら、時々塩を入れたり、砂糖をいれたりするこのお気に入りの容器に、混ぜて入れてしまったようだ。
でも、大発見!この優柔不断、曖昧模糊とした味が、なんともまろやかで美味しいのだ。早速トーストに振りかけてみた。これは病みつきになりそう。
テーブルの上に置いてあると、つい舐めたくなるので、塩分も糖分も過剰になると思って、あわてて、食器棚にしまった。
旦那は甘いものが食べたくないという。頂き物の懐中汁粉が甘すぎるけれど、それでも食べたいな、というので、お鍋に開けてたっぷりの水と片栗粉を一緒に煮立てたら、さっぱり味のあずき味の葛湯になった。
二人で半分ずつのおやつで、静かな午後。
29日 息子から嬉しい注文。トールの仕事仲間のジーノが今年も3月に来日するので、毎度お土産に苦慮している彼のために、着物の布で巾着袋を作ることにした。
来日するのは4人だけれど、イタリアでお世話になっている人たちのために10個の袋を作ることになった。
ジーノの正式名はなんだっけと考えて思い出した。ジロロモーニさんだ。最近デパートやオーガニック食品の店のコーナーで、オリーブ油やパスタの商品に、ひげもじゃのジーノさんの顔をしばしば見るようになった。
「笑わないおじさん」というのが会った時の第一印象。でも息子にいわせると、笑おうと一生懸命努力しているそうな。
旦那の入院中に心の籠ったメッセージをくださったけれど、その後に奥様が癌と判明したとか。
奥様を元気づけられるような、友禅の布で素敵な巾着を作ってあげよう、と、私の気持ちも華やいでいる。
今日は旦那の誕生日。ひょっとすると最後の誕生日になるかもしれない今年は、優しい色の花を飾ってあげた。
30日 朝からプールに行く。この間買った「美脚・小尻」のパンツがとても調子がいい。
健康体操で鏡に映る自分の姿がいつもよりすっきりと見えてご機嫌だけれど、誰も気がついてくれない。
ひとりでほくそ笑んでいた。
旦那に食事の支度を整えてきたので、体操が終わってからジムに行きひと運動して、プールに入る。
今日は各コースが混んでいて泳ぎにくいので、さっさとお風呂に行き、そのまま横浜駅の高島屋に美味しいものを探しに行った。
ハルコさんとシェアして食べた「一品香」のサンマーメンと五目焼きそばが美味しかった。
でも、これで午前中の運動は、帳消しとなっただろうな。
お天気が悪く体が冷えるという旦那に、片栗粉を熱湯で溶いて食べさせたら、何もいれないのに、甘さが感じられる、という。
なんでもいいから食べてくれればちょっと安心。
ちなみに気に入った「美脚・小尻…」は、今日もう1本注文した。これで10年は使えそう。
夜になって豪快な雨が降る。明日まで嵐だとか。
31日 夕べから冬の嵐が吹き荒れて、バケツをひっくり返したような雨の音が眠りを妨げた。
午前中しぶとく降る雨に、植込みの草花たちがじっと耐えている。
1月の締めくくりは、悪天候となった。
明日になれば立春も目の前で、新しい展開が待ち遠しい。
今日は旦那はずっとベッドの中。私はせっせと巾着作りに励んだ。
作っても作ってもなくならない布に、いささか腹を立てながら、
それでも出来上がってみると、うん、なかなかの出来じゃ!と自画自賛している。
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